●「竹中大工道具館」H18年度企画展 展示用銘木鉋掛け 【会場の様子】
   2006/9/17 耕木杜撮影


「竹中大工道具館」H18年度企画展 東京展
8月21日(月)から9月29日(金)まで竹中工務店東京本社1Fギャラリーにて開催
会場の様子を紹介します

会場 竹中工務店東京本社1Fギャラリー


竹中工務店東京本店の新社屋は東京メトロ東陽町から歩いて5分 昨年オープンしました
正面玄関前に設置してあるオブジェは何を表現しているのか 答えは【おが鋸】
大手建設会社の多くが土建業から始まっているのに対し 竹中工務店の創業者は
大工です 日本を代表する近代建築を手がけていいても 職人の意気込みを
忘れない竹中工務店の社風が現れているようです

玄関前にすえられた「長蔵杉」
推定樹齢500年の大杉 静岡県春野町 京丸山の崖の上にあった物で
1976年伐採した 現場で木挽に挽かせ ヘリコプターで運送された【企画展パンフレットより】


「屋久杉 の大判」 
銘木保管庫所有の銘木ではないので自分は削っていない 【仕上げは 機械の様でした】


1階 ギャラりー 展示会場 順路に従い撮影


昭和20年ごろの東京木場の木挽たちの写真 林以一氏も写っている
その次に 自分と鉋を打ってもらった 中屋平治氏の紹介と寄贈した鉋が展示された


こんな感じ ちょっと照れくさいです


順路 右手から 青森杉 霧島杉 山形杉 屋久杉 いちょう
杢目のパネルをはさみ 黒松 脂松 きはだ 栗 栃が並ぶ


様々な杢目を味わってもらうのも今回の展示の大きなテーマでした
実際に削って展示された 銘木の杢目の紹介のパネルが展示されている


それから パネルを挟んで 欅 楓 けんぽなし 塩地【一枚板】 塩地【組板】 水芽


圧巻 「春日野局欅」の大物 会場では 【どうぞお座り下さい】と書いてあります

展示されている銘木達をそれぞれ紹介します


 「青森ヒバ」 2400x630x130mm


 「霧島杉」 2520x750x150


 「山形杉」  2450x900x150


 「屋久杉」 2520x750x150


 「いちょう」 2470x430x180


 「黒松」 1920x900x70


 「脂松」 3030x520x80


 「きはだ」 2165x600x115


 「栗 くり」 2000x665x105


 「栃 とち」 1820x900x130


 「欅 けやき」 2360x1090x110


 「楓 かえで」 2000x320x155


 「けんぽなし」 1850x430x140


 「塩地 しおじ」 一枚板 2170x385x105 5枚組板 2260x640x200


 「水芽 みずめ」 2010x350x115


「春日局欅 春日の局けやき」 4750x900x130


 「白檀」

次に「木挽」の展示が始まる

木挽が 木を切る前に行う 木取りの「墨掛け」の実践
直径2尺(60cm】前後の木で行われる木取りが再現されていた この木はやや小さい
銘木にふさわしい 杢目が取れるかどうかは 「墨掛け」に掛かっている 木挽の経験と
木を見る目が試される 神経の使う やりがいのある工程です


木挽 林以一氏の【墨掛け】の 道具が並ぶ


木挽 林以一氏の【挽く】道具が並ぶ


木を挽いている様子の再現


東京 木場の様子と木を運ぶ為に使われていた道具など
それに 木遣り 角乗り など 木場の古い写真をスライドで紹介している
鍛治職人による「前挽きのこ」の製作過程を紹介

「大工道具の展示」

「竹中大工道具館」の所有する 大工道具が 並びます


「鉋」 平かんな 台かんな 面かんな 際かんな 五徳かんな等


釘締め 玄翁 ちょうな 斧 錐など



「鑿」 突きのみ 叩きのみ 組のみ こてのみなど

「鋸」 横引きのこ 縦引きのこ 畔引き 両刃のこなど


「その他の道具」 墨さし 差し金 下端定規 毛ひき 他

奥のコーナーでは 北山杉の展示と「竹中大工道具館」他製作 映像資料を放映
木挽林以一氏 成田力蔵氏 田中新次郎氏などの木挽実践を見る事が出来ます
「木挽職 林以一 木と話す」 竹中大工道具館
「京都 北山杉を育てる」 竹中大工道具館
「甲賀前挽き鋸」「甲賀の木挽」 甲賀市教育委員会

会場に入ってすぐに自分の削った銘木達が整然と美しく展示されていました 
木挽 大工の道具も展示品は僅かですが 良く手入れされて整然と並んで
完成された道具はやはり美しいと思います
すでに 千人以上の来館者があったと聞きました それだけ多くの人が自分の
削った銘木を見たという実感は いつか何かの形で現れるのか

会場で見る事の適わない人達の為に 会場の様子を紹介する事にしました
写真は耕木杜スタッフが撮影 資料は企画展パンフレットから引用しました

耕 木 杜  阿保 昭則

企画展その他のイベントです

「東京展」 会期 8月21日(月)から9月29日(金)竹中工務店東京本社
8月26日(日)子供体験教室 鉋削りを披露してきました
9月7日(木)記念シンポジウム「木を知り 木を活かす」
シンポジウム前に行なわれた 木遣り保存会の木遣りと
木挽 林以一氏の木挽の実演が素晴らしかった
9月16日(土)「木を挽いてみよう」木挽体験がありました

「神戸展」 会期 10月7日(土)から11月26日(日)竹中大工道具館
10月28日(土)記念セミナー「近江甲賀の木挽と前挽き大鋸」
11月4日(土)「木を挽いてみよう」木挽体験