●「竹中大工道具館」H18年度企画展 展示用銘木鉋掛け 【設営】

  8月17日(木)18日(金) 企画展設営の為 竹中工務店東京本社にて


「長蔵杉」  保管庫の中で

17日は主に会場のレイアウトの造作 自分たちは 銘木を支える帆立の取り付けを依頼される
すでに休み前に貰った図面を基に ほぼ加工が済んでいた材料を現場に搬入 組み立て
現場では パネルを取り付ける業者 パネルに紙を貼る業者など
多数の業者によって 決められた工程が順番どおり進められて行きました

それと同時に メインの展示の「長蔵杉」の移動
「長蔵杉」は樹齢500年 昭和51年に伐採された 由緒ある大杉で
やはり 長谷萬商店から寄贈されました
末口直径約3m 長さ役5m みかん割りに手鋸で挽かれ崩れないよう
ワイヤーでくくり 保管庫の1Fに 数十年そのままで 保管されてありました
これを東陽町の竹中工務店東京本社のエントランス前に展示する為に専門業者が
一時解体し これを機会に 数十年たまっていた埃を洗い流して
設置会場で一日がかりで組み上げられます

解体

解体の時は 安全祈願と大樹には魂が宿っていますから
神饌を供え お神酒で清めてから 作業が始められたそうです

埃落とし

一時解体された木の埃を洗い流すのは 自分たちの役割になっていたので
表皮を必要以上に剥がさないように たわし 洗車ブラシでこすりながら 水で
埃を洗い流しました
真夏日ながら 時折のにわか雨に ずぶぬれになりながら
解体も手際よく運び 洗いも済み 昼には保管庫から車で10分ほどの
設営場所に 搬送が終了しました

設営 復元 木合わせ



最後の一片

最後の一つが慎重に組み上げられた すでに夕方
時折 激しく降る雨の中 多くの人に見守られながら それぞれの部分は
それぞれの位置に無事 納まりました

ワイヤーを掛け 衝撃で崩れないよう 更に補強がされるそうです
是非 会場に脚を運び 実感してください

銘木の搬入
18日は展示する 銘木の搬入と設営に行きました
鉋で削った面の養生も剥がされ それぞれの展示位置に納まり 
倒れ防止の金具で固定 その脇には 説明のパネルも並びました
これから 多くの人達がこれらを見る事になります
展示された木たちを 企画展に来た ひとりの入館者のような気持ちで
見つめている自分がいました 確かな素材感と存在感がとても心地よく感じられました


今回 鉋削りの為に尚一層気をいれて打ってもらった鉋 会場入り口の程近くに
プロフィールと共に展示されました この鉋は記念に大工道具館に寄贈しました
その後 木挽の道具 大工道具 パネルやビデオ 貴重な資料なども
設置され 企画展の準備も整ったようです
多くの人々の来館を 期待しています H18年8月20日 阿保 昭則

竹中大工道具館H18年度企画展「木挽とその道具」東京展
2006年8月21日(月)から9月29日(金) 入場無料
10:00から18:00 日 祝日 休館 最終日17:00まで 
竹中工務店東京本社1F ギャラリー 03-6660-6011

東京都台東区新砂1−1−1 東京メトロ東西線東陽町3番出口 徒歩3分
財団法人「竹中大工道具館」
TEL 078-242-0216 FAX 078-241-4713