木製の家具を守る保護材について


好みで着色するのもいいですね 最近では自然材料を使った良い着色材が多くでています。
着色をすることによって紫外線による劣化を防ぐ事もある程度できるそうです。。
日本人は色づかいが苦手とされてきましたが生活の中で色で楽しむ事は素敵な事です。
ただ着色剤は木の導管の中に染み込むので塗り替えは難しい。よく考えて決めましょう。

リボス社 自然塗料のカラーサンプル

出来れば木目の個性や良さはそのまま残したいものです。
塗装をする事で木の呼吸を止め 寿命を縮めている事をどのくらいの人が意識しているだろうか
息をしなくなった木は調湿という大事な性質をなくします。。
静電気はほこりを呼び 行き場の無くなった湿気がカビを呼んできます。

しかし 無垢の家具は 触っただけで 手の油が染み込んで跡が付きます
生地のままの状態は染み込みやすいと覚えてください。木の種類 仕上げ方法にも大きく左右されます
毎日 乾拭きしたり 手でこすっている間に 表面は硬化し 木の持つ油分などが
表面にwax効果をもたらしてくれます 汚れもすぐ吸い込む事は無くなり味が出てくる

ただ小さなお子さんがいたり 汚れが味のなるのには時間がかかります
そこで極端な汚れが付かない様に適度の保護が必要になってきます
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楢 無垢に胡桃油をすり込む
木目のつまり具合で色 艶に差が出ます

昔から日本では家具の保護艶出しには胡桃【くるみ】が使われてきました。
スーパーのケーキ用品売り場に一袋300円程度で剥き胡桃が売られています。
これを布に数粒入れ 布の上から叩いてください。つぶれて滲んだ油を伸ばす様に擦りつけて行きます
あとはただひたすら乾拭きです。様子を見ながらこれを最初数回繰り返す事でよごれの進入を防ぎます

天然保護材は植物系 動物系があります。その特性については又の機会にご紹介します
油は酸化により劣化し飛んでいきますから 効果がなくなってきたら又塗る。これを繰り返します。
毎日の拭き掃除で出来ますし意外とむらになりません 何よりも自分で出来ますから経済的です。

台所 洗面所 もう少し過酷な条件の場所には wax効果を強化する為に蜜蝋をぬります。
ミツバチの巣の成分で 不純物を取り除いた蜜蝋とそうでない未晒しの蜜蝋があり
蜂蜜のにおいがします。これも古くから使われていたwaxです これは動物性の物ですが
植物性のものとしてはスキー板に使われるカルバナ蝋 車のwaxにも入っています。

これは 耕木杜の倉庫の流し台です
楢の無垢の天板をくりぬいてはめてあるだけです
蜜蝋waxを数回塗りこんだだけですが 水滴は玉になりまったく問題は在りません
熱には弱いですから注意
楢の木肌に良く似合っています。
塗りむらも無く 適度に呼吸もし自然な艶が美しいです
ただこれには蝋を伸ばすためにエゴマ油が入っています
この臭いが独特で好みの分かれるところ
しかし 蜜蝋 エゴマ油とも国産無農薬品で素材的には申し分ありません


ただし 熱い鍋を置いたり 長時間こぼした物を放置したりはいけません。
その時は汚れてしまった部分を目の細かい木工用のサンドペーパーで擦って又塗ります
ひどい時は鑿【のみ】 鉋【鉋】で表面を削り又同じように塗れば元通りです。
これ表面に薄い板を貼った物と違う 無垢板の良さです

着色をすると木の導管の中に色が染み込みので きれいに塗り替え様と思えばその部分を全部除かなければなりません。
着けた色は案外飽きが早かったり 他の物と調和が取れなくなったり
色を楽しむ事は素晴らしいことですが 主な物は自然のもので 後はアクセントに考えるのが懸命です
よく計画を立て後悔の無いようにしましょう
トータルバランスを要望されます 色も含め 素材 大きな懸案事項です。


これは拭き漆仕上げ
材料はカシュウーといって合成された物 本漆ではありません
塗っては拭き上げ塗っては拭き上げを4〜5回繰り返したました。
完全な自然塗料ではありません 
手間も掛かりますが 艶 保護効果はいいです
以前はこういった物も使っていました(2000年製作)

外部 内部 家具 建具 使用目的に合わせ 試して行きましょう
自分の手で手入れをしていると その物の個性や変化に気づく様になります。
それが大事なのです。
自分達の生活を支えるのだから 手入れが要らないイコールほっといても平気はちょっと行き過ぎです。
気が付いた時はどうしようも無い じゃさよならでは申し訳ないでしょう。

素材のしっかりした シンプルなデザインの収納 家具を本気で考えましょう
手入れをする事で身近に感じ それが愛着となって 長持ちする 家も生き物です。